橋本コレクション
世界の指輪の素晴らしいコレクションが日本にあることをご存じでしたか?
橋本貴志さんという方が個人で蒐集なさったもので、2012年に東京上野の国立西洋美術館に寄贈されました。現在そのうちの約300点が同美術館で9/15まで展示されています。
先日見てきましたが、外国人も結構見にきていたのは、日本にある珍しいコレクションとわかっているからでしょうか。
今までも時々展覧会に貸し出されたり、雑誌で特集が組まれたりしたことはあり、それを見かける度にレベルの高さと幅広さに驚嘆したものでした。いったい誰がどのくらいの時間とお金をかけてここまですごいコレクションを作ることができたのか、と誰もが思うことでしょう。でも、宝石業界では噂になっても、誰もよく知らないのです。
今回コレクターの橋本氏について改めて調べてみてわかったことは、1924年東京のお生まれで、今年90歳になられること。古美術鑑賞家、元実業家、東京藝術学校(現東京芸大)油絵科卒。指輪は1989年から2002年にかけてオークションでご自身が買い集められたこと。コレクションなさった指輪は全部で720点、オークションでセットで落札されたその他の宝飾品を合わせると800点以上にのぼること。今までも東洋や西洋の古美術のコレクションを国立博物館や母校に寄贈してきた実績があること。亡くなられた奥様は満州の成功した実業家のお嬢様で作家の中島敦氏のいとこでいらしたこと。。。
展示品はすべて興味深いものでしたが、個人的に印象に残ったのは、
15世紀のローマ法王の関係者が身分を証するために着けた指輪。しっかりとしたフォルムながら石は水晶。
あと、昔から指輪そのものはたいして変化していないんだな、ということ。
これからもいろいろなところで展示されることがあると思いますので機会があればぜひご覧になってみてください。
そして橋本貴志様!素晴らしいコレクションを、ありがとうございました。